けんちゃんへ



けんちゃん、お母さんは今、けんちゃんの事を思い出しています。

けんちゃんが、お父さんとお母さんの所にやって来たのは、
1993年6月4日。大雨の日でしたね。

けんちゃんは、ずぶぬれになって木にひっかけられていたんだよね。

そのけんちゃんを、家に連れて帰ってきたのが大きいお兄ちゃん。

けんちゃんは、その時からずーっと大きいお兄ちゃんが大好きだったね。

大きいお兄ちゃんのそばには、いつもけんちゃんがくっついていたね。


テレビドラマの大好きなお父さんが、けんちゃんにつけた名前は、
ドラマの中の犬の名前「けんけん」。

女の子なのに、ネコなのに、何だか不思議な名前。

でもけんちゃんは、その名前がお気に入りだったね。


けんちゃんのライバルは、小さいお兄ちゃん。

小さいお兄ちゃんが大きくなっても、けんちゃんは
小さいお兄ちゃんにはムキになってむかっていったね。


けんちゃんは、お母さんが出かけると必ず入り口でお母さんの帰りを待っていたね。

お母さんとけんちゃんは、いつも、いつも一緒だったね。

6年前、お母さんが具合が悪くなって入院した時、けんちゃんは
家でずーっと待っていてくれたんだよね。

お母さんはけんちゃんに1ヶ月も会えなくてとっても寂しかったよ。

その年の秋、今度は、けんちゃんが入院してしまったんだよね。

お母さんがお見舞いに行った時のけんちゃんの嬉しそうな顔。今でも忘れないよ。


お母さんはずーっと願っていました。

けんちゃんには長生きしてもらいたい。

けんちゃんが息をひきとる時は、眠るようにと・・・。

でもけんちゃん、あなたは、急に激ヤセしてしまって
1ヶ月でお星様になってしまったね。

けんちゃんとの別れはとっても辛かったけど、けんちゃんの最期を
見届ける事が出来てお母さんは幸せでした。

けんちゃん、うちの子になってくれてありがとう。

けんちゃんと過ごした日々、とっても楽しかったよ。

大好きなけんちゃん、いつまでも忘れないよ。



大野市 新屋敷家